消費税は確実に景気を悪化させる
消費税率を上げれば、その分GDP(≒国内景気)を押し下げることになります。日本のGDPはおよそ500兆円、そのうち輸出が約1割なので、90%の450兆円が日本の内需ということになります。例えば消費税を5%アップさせれば、この450兆円の内需が5%分(22.5兆円)が、確実に減ることになります。
国民の財布の中身は一定ですから、各商品が消費税で5%分値上がりすれば、国民はその分どこかで消費を削ることになります。国民が節約をすれば、企業の利益が減り、労働者の給与が増えないことになり、余計に国民が金を使わなくなるという悪循環に陥ります。これはインフレは悪ではないで説明した、デフレスパイラルそのものです。つまり、消費税を5%アップすれば、民間企業の売上が約20兆円減ることになり、デフレスパイラルが加速することになるのです。
こう説明すると「増税した分政府支出が増えるだろ」とか「政府支出の乗数効果で20兆円以上GDPは増えるぞ」なんて反論が出てきそうです。確かに増税で民間企業は減益となりますが、政府の歳入は増えます。たとえ無駄な公共事業だろうが、政府が金を使うことで、世の中のカネの巡りが(乗数効果で)増えるかもしれませんね。
だったら増税ではなく、国債発行(日銀引き受け)で財源を確保して、政府支出をした方がはるかに有効です。増税で政府支出を増やそうとしても、一方で民間の利益は確実に減るので、アクセルとブレーキを同時に踏むことを意味します。しかし国債の日銀引き受けでの政府支出なら、民間企業の利益を減らしませんから、政府と民間の両方でアクセルを踏むことになり、大きな景気浮揚効果が見込めます。
菅直人総理は「増税で景気回復出来る」という、ありえないほど馬鹿げた発言をしています。しかし言うまでもなく、増税は100%確実に景気を減退させます。金融危機以降、世界各国は財政支出を増やすことで、自動車購入の補助金などを増やす一方、様々な減税措置を取って景気回復を目指しています。オバマ大統領も、政敵である共和党が作った減税(ブッシュ減税)を延長することを決めました。景気後退期に増税することなど、絶対にありえない政策だからです。
菅総理は、財務官僚に「増税しても景気回復出来るよ」とそそのかされたのでしょう。経済音痴な菅総理は、消費税増税を目論む財務官僚共に、見事に洗脳されたのです。
消費税増税は、絶対に日本国民にとってマイナスな政策です。増税で恩恵を受けるのは、天下り先を無尽蔵に増やせる腐れ財務官僚共だけです。我々国民は、官僚の操り人形と化した政治家の言い分など信用せず、本当に必要な政策(インフレターゲット)を知っておくべきなのです。
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