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ローンの金利に幅がある理由

銀行の住宅ローン、自動車ディーラーのマイカーローン、消費者金融のキャッシングなど、民間の借金の多くには金利に幅が設けられています。例えば銀行系のカードローンなら「年率8〜15%」とか、消費者金融なら「年利13〜18%」などというように、上限と下限の間にはかなり大きな差が設けられています。

このように金利の上下幅がある理由は、金融機関は借り手の延滞リスクを見て金利に差を付けているからです。相手によって、足元を見たり、揉み手で媚びたり、と使い分けている訳ですね。

貸し手からすれば、金利が高いほど儲けは大きくなりますが、高くすれば優良な借り手(延滞や破産の確率が低い人)は他の銀行へ逃げてしまいます。優良な顧客は、各銀行で奪い合いになるので、競争原理が働いてローン金利は低くせざるを得なくなります。

一方で、優良ではない顧客(収入が安定しない、過去に延滞歴のある、など)は、金融機関にとっては回収不能リスクが高くなるので、それに見合うだけの高い金利を取らないと割が合わないのです。このようにリスクの高い顧客は、金融機関にとっては「好まざる客」なので、ライバルと競争して(=金利を下げて)獲得するほどの理由が無い訳です。

このように、ローンの貸し手である金融機関は、経済合理性に基づいて顧客ごとに金利を設定するので、金利に幅が生まれるのです。具体的には

・低金利な顧客の特長 =収入が安定している(公務員が最高)、クレジット履歴が優良(過去にローン返済が順調だった)、現在他のローン残高がない

金利が高くなる顧客は、上記の逆です。

収入(雇用)が不安定なパートや契約社員などが最悪で、自営業・フリーランスがその次に低い評価です。そして中小企業のサラリーマン、大企業のサラリーマンと続き、絶対に首にならない公務員は最も評価の高い顧客(=低金利)となります。

幅があるが実際は上限ぎりぎりの金利になる

もう一つ、クレジット履歴(過去のローン・クレジットカードの利用歴)が重要になり、延滞があると大幅にマイナスになります。無論、多重債務者は最悪で、住宅ローンやマイカーローンは、まず組むことは出来ません。

また誤解されがちですが、一度も借金の経験がない人は、実はマイナス評価になります。金融機関にとっては、その人が優良客なのかダメな客なのか、判断のしようがない事が理由です。クレジット履歴で最も評価が高いのは、多額の借金を延滞なく返済した経歴があり、かつ現在他のローンを抱えていない人です。

このように、収入の安定性やクレジット履歴を基準に、借り手のローン金利が決められます。但し、金融機関が公表している最低金利で借りれる人は、滅多にいないです。夫婦共に公務員で、過去のクレジット履歴が優秀で、かつ現在他のローン残高は無い・・・この位揃っていなければ、低金利は望めません。

特にカードローンや消費者金融では、特に初回の借り入れは、ほぼ上限ぎりぎりの金利になると思って差し支えないでしょう。例えば「年率8〜15%」の幅なら、大半の人は15%付近の金利になり、8%台で借りれる人などほぼ居ないと思って下さい。ローン会社が低金利をPRするために設定しているだけで、実際にはそんな金利では誰にも貸していないという可能性すらあります。


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