マネーガイドJP〜税金と節税 from マネーガイドJP

無申告は究極の節税方法なのか?

究極の節税(脱税)方法は、そもそも納税申告自体を行わず「無申告」で通すことと言われています。というのも、日本では(サラリーマン以外の)納税者は自ら税務署に申告する制度ですから、本人が申告しなければ税金を払わずに済むのです。当然、税務署は無申告者の摘発を行っていますが、誰がどこで事業を行っているのかなど、そう簡単に把握できる物ではありません。

法人では登記の関係上不可能な芸当ですが、法人化せずに個人の事業として営んでいれば、税務署は一気に把握しづらくなります。勿論、実店舗を持つビジネスなら税務署もチェックできますが、店舗を持たないネットビジネスやコンサル系ビジネス等なら、税務署に実態を掴まれにくいです。

また仮に無申告者が発覚しても、それが納税の対象となるかは分かりません。収入があっても、基礎控除や社会保険控除、そしてビジネスに必要な経費を換算すれば、収入はあっても課税所得はマイナスになる可能性もあります。税務署は「徴税ビジネス」とも言われ、如何に効率よく税収を増やすかというノルマに追われていますから、効率の悪そうな相手にはわざわざ税務調査は行わないといわれています。 (*仮に課税所得がマイナスでも、法人や個人事業主なら確定申告は必要です)

時効の話だから書きますが、筆者の知人にも無申告で脱税していた人物がいました。彼は学生時代から学習指導系の仕事をしており、大学卒業後もしばらくはそれを生業としていました。累計の稼ぎは軽く4桁を超えていると思われるが、税金は一円たりとも払っていないそうです。彼は開業届を出していないので税務署はノーマークなうえに、顧客は全てクチコミで料金も手渡しなので、一切の収入記録は残っていないという。名目上、彼はその数年間はずっと親元で「ニート」をしていたことになっており、収入が税務署に発覚することもなかったのです。

無申告のリスクとデメリット

但し、無申告で税金を払わないというのは、それ相応のリスクやデメリットも存在します。まずリスクとして、税務署に無申告(脱税状態)が発覚すれば、本来の税金に加えて追徴課税を喰らいます。税金の時効は7年ですので、最大7年分まではさかのぼって税金+追徴課税を払わされることになります。

他にデメリットとして、クレジットカードやローンでの借り入れが出来ない点が挙げられます。個人事業主でも、長年にわたって安定した収入と納税を続けているのなら、クレジットカードを作れる場合がありますし、自動車ローン程度なら借り入れも可能です。しかし無申告者は納税証明書が発行できないので、クレジットカードやローンを組むことは不可能です。

また、社会的な信用力を証明できませんから、ビジネスの世界では当たり前の「掛け売り」商売も困難になることも、事業によっては大きなデメリットです。当然ですが、商工会などの事業者団体にも加入できません。独身の人なら、結婚するのもまず無理になるでしょう。税金を納めていない=脱税しているかまともな収入が無いかなので、そんな男に娘の結婚を許す親など居るはずもありません。

このように、税金を払わないことは金銭的には得するかも知れませんが、その代償として、ビジネス的な信用が無いばかりか、一人の人間としても社会的な存在価値を認められない、強烈なデメリットが付きまといます。まっとうな人生を送りたいなら、無申告などという邪道な方法は取ってはいけませんね。


  マネーガイドJP (C)2014.rh-guide . All rights reserved.