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ふるさと納税はいずれ縮小していく

最近は専門書まで登場するほど、熱狂的に人気が高まっている「ふるさと納税」制度。全国の自治体へ寄付をすることによって、寄付金控除が受けられ(2000円を超える金額が所得から控除される)所得税や住民税が安くなります。それに加えて自治体から特典(その地域の特産品などのプレゼント)が貰える事が、人気の理由です。寄付金控除と特典プレゼントを合わせれば、利回りに直して10%を超えるほどのお得な自治体もあり、全国から寄付が殺到しているそうです。

但し、このふるさと納税バブルとも言える状況は、いずれ確実に縮小・崩壊していきます。法律に何らかの規制が入り、廃止されるとまでは行かずとも、ふるさと納税した方がお得な状況は、近い将来、必ず無くなると思われます。

その理由は、ふるさと納税制度が普及すればするほど、財務省の利権が縮小していくからです。消費税増税詐欺からも明白なように、日本の政治を牛耳っている財務省は、利権欲の塊です。財務官僚の行動原理は、全て自分達の利権が拡大する(天下り先を増やす)という一点に集約され、日本の経済・社会が良くしようなど一切考えていません。

ふるさと納税が作られた理由というのも、霞ヶ関・中央政府に金が集中しすぎているという問題に対するガス抜き目的です。地方に財源を渡しますよという姿勢を少し見せておき、本格的な地方分権の機運を封じ込めようと、お茶を濁す意味で適当に作られた制度です。

ところが、各自治体が想像以上に寄付集めの努力を行い、盛んにPRしたことで、財務省の想定外なほど、ふるさと納税が普及してしまったのです。地方自治体の財源が豊かになれば、政府からの紐付き補助金などに頼ることなく、地方自治が運営できます。つまり、ふるさと納税の普及・浸透は、霞ヶ関官僚の権力が弱まることを意味するのです。これは、日本国のカネを一手に牛耳ってきて、自分達が日本の支配者だとつけあがっている財務官僚にとっては、誠に由々しき事態です。財務官僚にとっては、これ以上ふるさと納税が流行することは、極めて都合の悪い事なのです。

日本の行政制度には、様々な歪みや盲点が存在しています。例えば、国民年金の支給額よりも生活保護の方が高いとか、最低賃金で働くより生活保護の方が収入が増える、等々。しかしこれらの問題は、財務省があまり利権にならないので、制度が変えられる動機が薄いのです。しかし、ふるさと納税がプラス収支になるという歪みを放置すれば、地方への財源移転がナチュラルに起こってしまうので、この穴は絶対に埋められて縮小していく運命にあるのです。

財務省の権力維持を理由に規制〜縮小される

ブランド牛にカニにマンゴーなどと、豪華食材を特典にふるさと納税を募っている自治体は多いです。しかし、寄付する納税者がトータルでプラスになるほどのプレゼントを行っても、自治体側は損をしていません。自治体側は、豪華な食材でも大半が原価で入手している(地域振興やPRを受け持つ対価として)からです。寄付に上限を設けている自治体もありますが、基本的にはふるさと納税の金額が増えるほど、自治体も得をします。ふるさと納税がどんどん拡大・普及することを、各地方の自治体は望んでいます。

しかし、税制を決めるのは霞ヶ関の財務省です。その財務官僚どもは、財源を握って地方自治体に権力を振りかざしたいので、ふるさと納税の普及に歯止めを掛けたいと考えています。2014年秋現在、財務省は消費税を10%に再増税する詐欺に懸命なので、ふるさと納税制度にメスを入れる余裕はありません。しかし年内には、いずれかの形で消費税増税問題は決着を迎えます。その後は、財務官僚どもに余力が生まれるので、ふるさと納税を縮小すべく、規制を目論むはずです。

このような理由から、現在のように10%以上の利回りを生むような「ふるさと納税バブル」は、近い将来、必ず崩壊する運命にあります。但し、法改正されるまでは現在の状況は続きますから、法律にメスが入るまでは美味しく恩恵に預かりましょう。ふるさと納税でブランド牛やカニなどをゲットしたければ、早めに参戦しないと、法改正で特典が縮小や廃止になるかもしれませんよ。


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