株式投資ガイドブック from マネーガイドJP

労働組合が強い企業には投資するな!

企業が成長するには、そこで働く労働者が高い生産性を保つ必要があります。株主からみれば、労働者は機械などと同じで、企業を動かす歯車にすぎません。

株主と労働者の利害は対立し、Win-Winの関係というのは存在し得ません。労働者の賃金は、企業にとってはコストであり、労働者の権利が高ければ高いほど、会社としての利益は薄くなるのですから。

破綻したJAL(日本航空)には8つもの労働組合が存在し、従業員達は世間一般から見て驚くような高待遇が実現していました。パイロット達がストライキを起こせば、航空会社はお手上げです。スーパーの従業員がストライキしても代わりの人間はすぐに補充できますが、航空機のパイロットは簡単に代わりを連れてくることなど出来ません。こうして労働組合側の横暴が蔓延し、従業員の給与は馬鹿高いのに生産性は低下の一途をたどり、JALは経営破綻したのです。

同様にアメリカのGM(ゼネラルモーターズ)も、やはり労働組合の力が非常に強いことで有名でした。GM社員の給与や退職金は他のメーカーよりもはるかに高く、そのコスト負担が仇となって経営破綻しました。このように、労働者の利権が強くなればなるほど、企業のコストは増大し、経営を悪化させるのです。

骨抜き労働組合の方が株主利益が増える

逆にトヨタやキヤノンなどは、労働組合とは無縁の派遣労働者を大量に使うことで、人件費を極限までに圧縮し、世界を席巻する巨大メーカーに成長しました。トヨタやキャノンの労働組合は、経営者側に飼い慣らされた「骨抜き労働組合」と揶揄されています。リーマンショック後は派遣切りが問題視されていますが、会社が高い利益を上げ続けるためには、労働者を使い捨ての奴隷のように扱える、いわゆるブラック企業の方が有利なのです。

こんなことを書くと「何と非人道的な奴だ!」と非難されそうですが、最初に書いたように、労働者と株主は利害が相反します。労働者の権利を大きくすれば、その分価格を釣り上げでもしない限り、会社の収益が圧迫されるだけに終わります。

投資家というのは、労働者の立場に立って考えていては、資産を増やすことは出来ません。非人道的であろうと、とことん収益性を追求する企業を吟味すべきなのです。世の中、綺麗ごとだけでは成功しないのです。

キャノンの御手洗氏やユニクロの柳井氏のように、ブラック企業と揶揄されようとも、感情や思想・信条を捨てて、ドライに判断できる経営者ほど優秀なのです。そしてそんな企業に投資できるドライな投資家こそが成功できるのです。


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