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プライベートバンクなど不要!

金融危機のどさくさに生じて?なのか、個人向けにも門戸を開いたプライベートバンクが、書籍やWEBサイトを使って盛んに宣伝しています。

しかし、一般庶民がプライベートバンクを利用する必要性は全くありません。

彼らの発祥の地であるヨーロッパでは、富裕層が自国以外の外国株や貴金属などの金融商品へは、プライベートバンクでしか投資できない状況でした。しかし金融市場のグローバル化・ボーダレス化により、プライベートバンクでしか投資できない商品というものはほとんど存在しなくなりました。今や外国株や貴金属投資も、ネット証券を使えば誰でもできる環境が整っています。

そもそもプライベートバンクというのは、本来なら少数の大富豪だけを相手にするビジネスです。顧客一人当たりにかかる手間は、大富豪でも貧乏人でもほとんど差はありません。そのため、同じ100億円を運用する場合、1000人の顧客から1千万円ずつ預かるよりも、10人の大富豪から10億円ずつ集めたほうが、はるかに効率的です。

本物のプライベートバンクなら、ネットや書籍などで営業活動したりしなくとも、元から抱えている上客や、彼らの紹介から広がる富裕層のネットワークだけで、十分ビジネスになるはずです。つまり、一般庶民にまで営業活動をしているプライベートバンクというのは、生まれたてで実績の無い新参者か、それとも大富豪相手に資金を集められない出来損ないなのでしょう。いずれにせよ、一般庶民にとってプライベートバンクなど、全くもって不要な存在だといえます。

ラップ口座=なんちゃってプライベートバンク

またプライベートバンクに類似したサービスとして、日本の大手銀行などが扱っている「ラップ口座(ラップファンド)」というものがあります。本来ラップ口座は1億円が最低ラインと言われていましたが、最近では1千万円から預け入れが可能な所も現れています。金融機関のラウンジを利用したり、個別の担当者が付いたりして、如何にも特別な投資である雰囲気を味わえるという意味で、例えるならラップ口座は「なんちゃってプライベートバンク」といえます。

しかしこれもプライベートバンクと同じで、本来大富豪向けのサービスが貧乏人にまで手を伸ばさざるを得ないという相手方の状況を考えれば、庶民にとっては不要なサービスであることは予想が付きます。

本来ラップ口座というのは、富裕層の豊富な資金量を生かして、専門の担当者が個別株や個別債券に分散投資するものです。しかし実際のラップ口座では、口座管理手数料を取っておきながら、一方で自社の投資信託ばかりに投資していて、結局は手数料の二重取りに過ぎないボッタクリビジネスであるケースが多いのです。

最近、金融機関がラップ口座の宣伝に力を入れているのは、小金持ち・プチ富豪からがっぽりと稼ぎを上げたいが為なのです。


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