株式投資ガイドブック from マネーガイドJP

特定口座(源泉徴収なし)と一般口座の違い

証券会社では「特定口座で源泉徴収ありorなし」と「一般口座」という3パターンの口座が作れます。「源泉徴収あり」で開設すれば、確定申告は不要になり、また幾ら儲けても扶養控除から外れることはありません。一方で、取引毎に売却益の10%分を源泉徴収されるのでキャッシュフローが小さくなることや、年間20万円以下でも税金を取られる(残り二つの口座なら無税に出来る)、等のデメリットもあります。

では残りの「特定口座・源泉徴収なし」と「一般口座」の違いです。結論から言うと、一般口座のみにある固有の特長は主に2つで、しかも両方とも実用性がないものなので、一般口座を作るメリットはありません。

一般口座固有の特長として、1つめは「みなし取得費の特例」が使えることです。これは2001年9月末以前から保有していた株式を売却する場合、その取得額を「2001年10月1日の終値株価の80%」にすることが出来るというものです。

一般口座では原則として確定申告が必要ですが、その際に実際の取得金額と、みなし取得費を比較して、安い方の値段を選択出来るのです。これは特定口座にはない、一般口座だけのメリットです。しかしこの「みなし取得費の特例」は2010年末までの期間限定となっており、それ以降は使えなくなります。ゆえに1つめのメリットは、まもなく無意味と化します。

一般口座なら脱税に使えてしまうが・・・

二つめの特長は、1回の売却金額が30万円を超える場合のみ、証券会社から税務署に情報が提出される(支払調書)ことです。逆に言うと、1回30万円以下の取引の場合、税務署は貴方の株式売買を把握出来ないということです。特定口座の場合は源泉徴収のあり・無しに関わらず、全ての取引を記した「特定口座年間取引報告書」というものが税務署に提出されますから、全ての取引を把握されています。

一般口座(及び特定口座・源泉徴収なし)の場合、年間トータルで20万円以下の利益の場合、確定申告は不要で、その分の税金は免除されます。しかし30万円以下の小口取引を繰り返して、利益が20万円を超えると、本来なら確定申告で納税する義務が生じますが、税務署に把握されていないので「無視」することが出来てしまいます。

無論、証券会社自身は貴方の取引記録を全て把握していますから、税務署に知らせが行く場合も考えられます。しかし複数の証券会社を使って、そのトータルが20万円を超えている場合、税務署には分かりません・・・。

・・・しかしこれ、早い話が「脱税」な訳です。税務調査が行われれば、貴方の株式取引での脱税など簡単に発覚しますから、この特長もやはり一般口座のメリットとはいえません。とゆうか、脱税などしちゃいけませんよ。

ということで、一般口座を開設するメリットは何もありません。確定申告のリスクを背負ってでも、証券口座のキャッシュフローを最大限使いたい人や、年間利益20万円以下の場合の益税を享受したい人は『特定口座・源泉徴収なし』にすればよいです。そうでない人は素直に『特定口座・源泉徴収あり』にするのがベストです。


  マネーガイドJP (C)2014.rh-guide . All rights reserved.