株式投資ガイドブック | from マネーガイドJP | |
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貸株のリスクについて貸し株とは、自分の保有株を証券会社に貸し出す形を取ることで、金利を受け取ることが出来るサービスのことです。SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券などが、貸株サービスを行っています。(ちなみに証券会社は借りた株を、空売りしたい人などに貸し出しています) 長期投資が前提の銘柄で、当面は売却する意思が無い場合などは、そのまま保有しているだけでは勿体ない話です。貸株に出せば、年間0.5%前後(証券会社や銘柄、金利情勢などによって異なる)の金利収入が得られます。ネット証券の貸株サービスでは、名義変更によって本来貰えなくなるはずの「配当金」も、証券会社から配当相当額を別途得られる場合がほとんどです。 また株主優待がある場合も、本来なら貰えなくなりますが、上記のネット証券では優待権利日直前に自動で貸株を止めて優待権利を戻せるシステムもあるようです。つまり、現在のネット証券では貸株を行った状態でも、配当金や株主優待をそのまま貰えて、かつ貸株分の金利収入も得られるという、至れり尽くせりのサービスが展開されています。 このように良いこと尽くめに見える貸株制度ですが、何か問題点は無いのでしょうか? 破綻リスクと、雑所得扱いによる損益通算不能最も注意すべき事は、貸株を行えば、万が一証券会社が破綻すれば、貴方も損害を被るリスクがあるということです。通常は購入した株式は購入者本人に名義がある上、証券会社は自社の資産とは分離して管理する義務があるので、仮に証券会社が破綻しても貴方の資産には何の影響もありません。しかし貸株では、株の名義が証券会社に移っているので、証券会社の資産として見なされるので、破綻すれば債権者への補填として売却され、貴方の手元には一円たりとも戻ってこない恐れすらあります。つまり貸株サービスは、貴方の利用する証券会社が潰れるリスクがないのか、十分に見極める必要があります。 もう一つの問題は、配当金相当額は証券会社から貰えても、それは定義上「配当金」ではない扱いとなります。配当金は「配当所得」として申告分離課税ですが、証券会社からの受取金になると「雑所得」として総合課税の対象となります。所得の多い人は、雑所得扱いになると税額が増えて損になります。また配当所得は、株式や投信などの売却損と損益通算できます(税金が戻ってくる)が、雑所得では損益通算も出来ません。 上記2点のリスクを踏まえた上で、貸株サービスを使うべきか否かを検討すべきでしょう。ちなみにもう一点、株の名義が証券会社に移ることにより、株主総会での議決権が無くなるという欠点もありますが、個人投資家にとって議決権などほぼ役に立たないので、この点はあまり問題ではないでしょう。
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