株式投資ガイドブック | from マネーガイドJP | |
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経済学者の予想が当たらない理由テレビや新聞では、経済学者(エコノミスト)が今後の株式市場や為替など、もっともらしい理由を付けて解説していますね。しかし日頃から経済ニュースに関心のある人なら、彼らの予想が全然当たらないことは実感しているはずです。エコノミストは文字通り、経済に関する専門家なはずです。なぜ専門家である彼らの予想は、これほどまでに当たらないのでしょうか? まず1つの理由が、大組織に属した経済学者は、必然と世の流れに沿った「無難な予測」しかできなくなるからです。例えば株式市場が絶好調で上昇基調な時期に「これはバブルだから手を引け」というのは、中々難しい注文です。好景気に水を差すような予想を言えば、投資家から総スカンを喰らいますし、場合によっては身の危険も生じるからです。 さらに付け加えると、マスコミ(特にテレビ)は視聴者を引き付けるために、常に世の潮流を過大に報道する傾向が強いです。故に強気相場では、警笛を鳴らす専門家の声は無視され、相場を煽るようなお祭り学者の声ばかりが報道され、さもそれが当然だという風潮が作り上げられます。 ですから、株式市場が上昇基調の時は必要以上に強気予想が、暴落時には悲観予想が増える(ように見える)のです。しかし、行きすぎた上昇や暴落はいずれ潮目が変わりますから、彼らの予想は往々にして外れやすくなるという訳です。 ポジショントークや提灯記事の可能性もう一つの理由は、経済学者の中には経済分析に基づいて解説しているのではなく、自分に都合の良いことをテレビや新聞で述べている連中がいるからです。 例えば「今後1ドル=50円台まで円高が進む!」などと極論を言う経済学者は、円高が進むと予想しているというより「円高が進んで欲しい」という願望に基づいた発言なのです。何もそれは、日本国債を持っている、FXで外貨売りをしている、というような直接的動機の場合だけに限りません。 大組織や権力者に取り入ろうとして、その相手に好都合となる説を唱える学者も少なくありません。例えば「日銀御用学者」と呼ばれる連中は、円高が当然だという説を唱えます。そうして日銀の政策を擁護することによって、日銀幹部と良好な関係を持ち続けることが出来て、結果として(オフレコ情報が入るなど)エコノミストとしてのメリットが生じるのです。このように、自分の利害に基づいた発言は「ポジショントーク」や「提灯記事」と言われます。 この性質は、プロ野球や競馬の解説者予想などと同じです。野球解説者は全員が元プロ野球選手であり、ほぼ間違いなく自分の所属していた球団・選手を褒めるような発言をしますよね。顔見知りである選手達をけなすのは人間関係を悪化させますし、上手に「ヨイショ」して球団のご機嫌を取っていれば、将来コーチや監督になれる可能性だってあるからです。競馬解説者なども、特定の取材対象(騎手や厩舎の調教師)と縁故を持ち続けようとすれば、必然と彼らに批判的な記事を書けなくなります。 エコノミストに限らず、メディアで発言している人間には、自分の利害に基づいてポジショントークをしている輩が多いのです。彼らの意見を真に受けるのではなく、裏事情まで読んで聞くことが重要です。
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