株式投資ガイドブック from マネーガイドJP

チャート分析はオカルトなので無意味!

株式投資を大局的に分類すれば、企業の財務分析を判断材料にする「ファンダメンタル派」と、チャートや統計データ的な手法を判断材料にする「テクニカル派」に分かれます。そしてテクニカル分析の中でも、RSIやボリンジャーバンドなどのように、確率・統計的な数値を重視する考え方と、ゴールデンクロスや逆三尊やグランビルの法則から「エリオット波動」なる怪しげな名前の手法など、株価チャートの形を重視する考え方があります。

そして結論からいうと、チャート分析は株価の予想にはほとんど役に立たず、単なるオカルトに過ぎません。

チャート分析の書籍では、チャートの形を分析して成功した結果を載せています。しかし、全ての銘柄でその法則が成功するとは限りません。チャート分析の書籍では、失敗例が載っていることはありませんし、一体何%の確率で成功する法則なのかも知らされていません。

一方で同じテクニカル分析でも、チャートの形では無く、統計的分析の手法では、信憑性があるものもあります。例えば斉藤正章氏の提唱する「25日移動平均乖離法」では、1983〜2005年までの全銘柄を対象に検証したの結果として「勝率78.7%、平均損益+7.58%」という数値が明らかになっています。20年以上にわたり全銘柄の株価を対象とした数値ですから、非常に信憑性があるデータといえます。

成功例のチャートだけでは「勝率」は分からない

ところが「グランビル」だの「酒田五法」だの「エリオット波動」だのといった、チャートの形を分析する手法では、このように実際の成功確率などのデータが明らかになっていません。成功例のチャートから説明されればもっともらしく聞こえますが、一体それがどれだけの確率で有効なのか、どれだけ失敗するのかが語られていませんから無意味なのです。

明確なデータや根拠が示されない以上、チャート分析はそれを作った人間が恣意的に生み出した手法に過ぎない、つまりは占いや競馬の出目予想などと同じで、単なるオカルトであるといえるでしょう。

ちなみに前出の斉藤氏の書籍では、最も有名なチャート分析の指標である「ゴールデンクロス」についての検証が成されています。それによると、1983〜2005年の期間で、全銘柄でのゴールデンクロス売買を検証した結果『勝利は27655回で負けは53932回(勝率33.9%)、平均損益+0.59%』だそうです。株式ニュース等でも語られることのあるゴールデンクロスですが、データからはほとんど儲けは出ないことが分かります。


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