HOME > 住宅・不動産 > タワーマンションのデメリット
タワーマンションとは、高さが60メートル以上、もしくは階数が20階を超える住居用建築物を指すと一般的に言われています。タワーマンションは、その景観の良さはもちろんの事、コンシェルジュやガードマンが常駐していて防犯上安全だ、高層階だと蚊やゴキブリなどの心配がほとんど無い、などのメリットがあり、高額な値段でも住みたいと考える富裕層は多いです。
一方で、タワーマンションにはデメリットも多いので、以下のような問題点も把握した上で、購入を検討すべきです。
タワーマンションのデメリットの一つが、エレベーターの待ち時間がとても長い事です。巨大マンションではエレベーターが何基も備え付けられていますが、それでも朝の通勤・通学時間帯は確実に混雑します。上層階だと待ち時間だけで10分以上かかるという話もあるので、特に注意が必要です。
他に、洗濯物をベランダに干せないというデメリットもあります。マンションに吹く風は高層階になる程強くなるので、洗濯物がすぐに飛ばされてしまう可能性が高いです。また景観を損ない、マンションのブランド価値を下げるという理由で、タワマンの住民側(管理組合)でベランダでの物干しを自主規制しているケースもあります。
そして、騒音対策が不十分であるという問題もあります。タワーマンションは構造上、高層階を軽くする必要があるため、高層階の壁にコンクリートを使用出来ないのです。ゆえに、通常の低層マンションに比べて騒音に弱いというデメリットがあります。少しの雑音でも気になってしまう人や、自分の生活音を他人に聞かれたくない人などは、タワーマンションに住むのは避けた方がいいかもしれません。
また、災害に弱い事もデメリットです。例えば地震については、多くのタワーマンションは免震構造になっており、地震の振動エネルギーが直接建物に伝わらない仕組みが取られています。ゆえに倒壊の可能性はまずありませんが、免震装置は仕組み上、揺れを増長する構造です。東日本大震災では、免震タワマン特有のゆっくり大きな揺れに、恐怖を感じた人は多かったといいます。
さらに、地震で停電や断水になった場合、エレベーターが使えなくなるので外出は難しいですし、水を一階から高層階まで運ぶのは相当苦労します。地震だけでなく、火事が起こった時に逃げ出しにくい事も大きな問題です。こうした災害は滅多に起こらないとはいえ、万が一の災害へ対応が難しい事が、タワーマンションの大きなデメリットといえるでしょう。
そして、タワーマンションは修繕が極めて困難という事が、最大の問題です。タワーマンションのエレベーターや水周りなどの設備は、20〜30年程度で寿命を迎えます。しかし、マンションの建て替えは住人の5分の4以上、改修は4分の3(耐震改修の場合は2分の1)以上の同意が必要と定められています(マンションを取り壊す場合は所有者全員の同意が必要)。
タワーマンションの住人は何百人もいるため、75〜80%もの同意を得るのは事実上不可能に近いです。金銭的に余裕がない低層階の住人は修繕費の負担が大きい事を嫌う傾向にありますし、高齢者の中には「どうせ何十年も住むわけじゃない」と修繕積立金を拒む輩も増えています。結果として、住人の同意が必要数に満たない事はおろか、修繕積立金も不足しがちになり、メンテナンスが行き届かずに老朽化が進み、将来的にはタワーマンションがスラム化するだろう、と社会問題になる事が確実視されています。
タワーマンションのデメリットまとめ
・エレベーターの待ち時間が長い
・隣や上層階からの騒音が大きい
・地震や火災などの災害に弱い
・修繕問題が確実に起きるためスラム化の懸念あり
余談ですが、タワーマンションに住む主婦層は虚栄心の塊なので、住んでいる階によってヒエラルキーを構成し、低層階の住人を見下す「タワマンカースト」を作ることが多いので有名です。こういう女同士の無益な蔑み合いをデメリットと感じるなら、タワーマンションの低層階に住むより、同じ値段で普通のマンションに住む方が快適に暮らせるでしょう。
このように、タワーマンションの華やかさの裏には、色々とデメリットも多いのです。東京では勝どきや豊洲などの湾岸タワーマンションに富裕層が群がり、完全にバブルといえる状況ですが、1億円はしようかという高額な買い物ですから、こうした問題がある事は十分理解しておくべきですよ。