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管理組合の無いマンションは存在するのか?

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近年、マンションの管理組合に関するトラブルが増加しています。面倒な事例などがネットの口コミで拡散されやすいので、それを見て「管理組合なんて入りたくない!」と思う人も増えているようです。

管理組合とは、そのマンションに住む人達で構成される組織で、マンション全体の運営に携わる活動を決定する「自治会」のような存在です。マンションには、駐車場・エントランス・エレベーターなど、全員が利用する『共有スペース』があるので、その修繕管理のお金を積み立てたり、清掃などのメンテナンスを決めることが、管理組合の役割です。

町内会や学校のPTAなどもそうですが、自治会の類なんてものは、意見がまとまらないのが常ですし、面倒なだけデメリットは無いので、基本的には誰もやりたがらないです。

もし、管理組合が無いマンションが存在するのなら、他人同士の面倒な話し合いなど不要ですから、魅力的な物件と言えますよね。しかし分譲マンションの場合、残念ながら管理組合の無い所は、新築物件では絶対に存在しません。中古マンションでは一部あるようですが、色々と問題が多いのでお勧めはできません。

★管理組合に入らなくて良い分譲マンションは存在しない!

日本では、1983年に『区分所有法』という法律が改定され、マンションに住む全ての住民が管理組合へ加入することが義務づけられています。例外規定は無いので、現在新築で募集されているマンションなら、管理組合への加入は100%必須の事項となります。

中古マンションで、区分所有法が制定された1983年よりも前に完成していた物件なら、管理組合が無いマンションもある・・・という口コミも聞かれます。真偽は定かではありませんが、仮にあったとしても築40年クラスの古い物件か、もしくは管理が一部の既得権益者に握られたマンションなので、とても購入はお勧めできません。

中古マンションでは管理組合が機能不全なケースもある

中古マンションは、築年数が古いほどメンテナンス費用が大きくなりますし、その一方で住民の数は減る(オンボロマンションを好む人は滅多にいない)ので、一人あたりの修繕積立金の負担は大きくなります。しかも、そのようなオンボロ物件では、修繕積立金を滞納する住民が多い傾向もあるので、二重に問題なのです。

また「管理組合がない〜全てを理事長にお任せ」というようなマンションもあるようですが、これも危険です。理事長が管理組合の活動を肩代わりする代わりに、修繕積立金を横領していた・・・なんて口コミも数多いからです。仮に横領まで行かなくとも、特定のメンテナンス業者と癒着し、高額な契約を結んで理事長がバックマージンをもらっていた、という事例もあります。

理事長が独裁者となって、管理に口出しできないような「機能不全マンション」では、どんな問題が潜んでいるか分かったものではないので、購入は止めておくべきです。

管理組合の無いマンションは存在するのか?まとめ
・管理組合の無いマンションは、基本的に存在しない
・区分所有法で全ての住民の管理組合への加入が義務づけられている
・管理組合が嫌なら「分譲」を買わず「賃貸」で住むべき

ちなみに、管理組合へ加入するのはあくまでそのマンションの所有者なので、賃貸マンションなら管理組合は存在しません。また、分譲と賃貸が混在するマンションでも、管理組合へは賃貸のオーナーが参加するのが基本で、貸借人は参加できません(発言権がない)。

「賃貸マンションは治安が悪い」という悪い評判が多いのは、このように貸借人は権利がないので、物件を大事に扱おう、他の住民と円満な関係を続けよう、という意志が薄いからです。経済学的には、家は購入するより賃貸で住み続ける方が遙かに有利(無借金、いつでも引っ越せる)なので、治安や騒音に目を潰れるなら、マンションは賃貸がベストな選択です。

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