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カジノ関連銘柄〜ラスベガス・サンズ

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ラスベガス・サンズ(Las Vegas Sands .corp)は、アメリカにある世界最大のカジノ関連企業です。カジノの運営を主業に、ホテルやショッピングセンター、コンベンションセンターなどの運営も手がけており、いわゆるMICEの総合企業と呼べる存在です。2016年のサンズ社の売上高は114億ドル(約1兆3千億円)、株式時価総額は約500億ドル(5.5兆円)を誇り、カジノメジャーと呼ばれる業界4大企業の中でも最大の存在です。

※カジノメジャー=ラスベガスサンズ、シーザーズ、MGMリゾーツ、ウイン・リゾーツの米国企業4社のこと。しかし近年では、マカオのギャラクシーエンターテイメントやサンズ・チャイナ、香港のメルコクラウン、マレーシアのゲンティン等も規模で見劣らなくなっており、この8社をカジノメジャーと呼ぶ場合もある。

その名が示すの通り、ラスベガス・サンズは元々、アメリカの一大カジノリゾート都市=ラスベガスで事業を興し成功しました。しかし近年では、アメリカ以外での売上の方が巨大になっており、2015年の売上比率は中国の特別行政区=マカオが最大(57.9%)、シンガポールが24.8%、米国内は17.3%に過ぎないです。シンガポールの「マリーナベイサンズ」やマカオの「フォーシーズンホテル・マカオ」は、サンズの成功事例として世界的に有名になりました。

このように、積極的な海外展開で成長機会を伺うラスベガス・サンズは、当然のように日本のカジノ解禁にも高い関心を寄せています。サンズ社の会長=シェルドン・アデルソン氏は「日本のカジノに100億ドル(1兆円以上)規模の投資を行う」と発言し、日本市場を狙っています。

なおラスベガス・サンズ社はニューヨーク証券取引所に上場【ティッカー:LVS】しており、日本国内からでもSBI証券や楽天証券を通じて、サンズ社の株へ投資が可能です。過去二年は、売上比率の高いマカオのカジノが急減している影響から、減収減益の決算となりましたが、配当金は増配しています。

ラスベガス・サンズの業績
  売上高  純利益  一株利益 一株配当金
2013年  13769 2305 2.79 1.4
2014年 14583 2840 3.52 2.0
2015年 11688 1966 2.47 2.6
2016年 11410 1670 2.10 2.88

※業績の売上高・純利益の単位は百万ドル。

日本のカジノ議論に蔓延るサンズのステマ

日本でのカジノ議論で「セキュリティなど国際的な信頼面から、海外のカジノ事業者の手を借りる事が不可欠だ」という旨の意見がよく聞かれます。このような提言は実は、日本のカジノ市場に食い込みたいラスベガスサンズが流した「ステマ」説である事が濃厚です。サンズなどのカジノメジャーと癒着したジャーナリストが、海外勢が日本のカジノ市場に食い込めるよう、デマを広げているのです。

マカオやフィリピンなどの発展途上国と違い、日本企業はセキュリティ能力も世界トップクラスです。競馬場やパチンコ店など、大金が飛び交うギャンブル場が大きな問題なく運営されているのですから、カジノも日本勢だけで運営する事は、技術的に十分可能です。しかしIR議連の中にも、どうやらこの「カジノ海外企業不可欠説」に毒された議員が沢山居るようです(海外勢との癒着なのか、ステマを見抜く能力が無いだけかは分かりませんが)。

米国企業はこのように、様々なロビー活動を通じて政治家に食い込み、自分達に利益誘導する工作が大得意です。ですから日本人は、巷の情報から彼らのステマを見抜き、本当に必要な事なのかを冷静に判断する必要があるのです。

確かに日本には、ラスベガス・サンズのようにカジノ・IRリゾートを統合的に運営した経験のある企業は存在しません。ですが、日本のサービス業のセキュリティやホスピタリティは世界最高水準なのですから、IRリゾートの運営は十分に可能なはずです。わざわざ外資系企業に、経済成長の果実を渡す事など無いのです。

「IRリゾート開業に掛かる費用を負担してくれるならアリでは?」と考えるのも早計です。前述のサンズ社=アデルソン会長の1兆円投資のコメントは、あくまでメディア向けのリップサービスだと捉えるべきです。アデルソン氏は2013年に、スペインのIR事業「ユーロベガス」に350億ドル投資する予定だったのを突然覆し、一方的に撤退を表明したという『前科』があります。マドリードとバルセロナの2大都市で壮絶な誘致合戦が行われた末のちゃぶ台返しだったので、スペイン経済界は大混乱に見舞われました。

このようにシビアな(=不誠実な)ビジネスマンですから、日本のIRでも、何か問題があるようなら途中でちゃぶ台返しを喰らわす危険性があります。だったら最初から、サンズら外資の投資などアテにせず、国内企業だけで進めた方がトラブルは少ないでしょう。

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